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雑記 / テレビ・生きること・インプット

 別にブログに書くほどの内容でもないのだけれど、Twitterに垂れ流すのもどうかなあと思って。

 

 

 

 夕べ溜めていた録画を半分ほど消化した。内訳は、『日曜美術館「夢のモネ 傑作10選」』『テクネ 映像の教室「ループ」』『SWITCHインタビュー 達人達 「日野原重明×篠田桃紅」』『スーパープレゼンテーション「生命をデザインする 合成生物学の最前線」』『プロフェッショナル 仕事の流儀「雑誌編集長・今尾朝子」』。全てNHK

 


 『日曜美術館』のモネ。ちょうど粟津則雄著の『美の近代』という「光と闇」をテーマにモネとルドンを対比し、その対称性と共通性から近代の美の特質を示すという新書を読んだばかりだったため、モネに対する理解がより深まった。白内障を患い、失明の危機に瀕する最中、79歳のときに制作された『睡蓮』。『美の近代』の中に、あるアメリカの女流画家に語ったモネのこんな言葉が記してあり、まさにこの『睡蓮』と響き合うものだった。3月1日から21日まで京都展で『印象 日の出』を含む、モネの傑作の数々が鑑賞できるようなので、春画展の巡回と共にぜひ参加したい。

 

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 「絵を描くときには、自分の前にあるものが何であるかを忘れる必要があるんですよ。樹であろうが家であろうが野原であろうがその他何であろうがね。そしてただこう考えるんです。ここには小さな青い四角がある。ここには薔薇色の長方形がある。またそこには帯状の黄色があるというふうにね。そしてただあなたに見えた通りに描くんですよ、正確な色と形で。眼前の風景に感じられる率直な印象が表現されるまで」

 

 

 『テクネ』のループは、1980年のズビグ・リプチンスキーという1949年ポーランド生まれの映像作家の1980年『Tango』という作品と出会わせてくれた。1983年アカデミー賞(アメリカ)最優秀短編アニメーション作品。ズビグ氏はジョン・レノンの『イマジン』のMVなども担当されている著名な方だそう。無知だった。YUKIの『YUKI concert tour“Flyin' High”'14~'15』というツアーで、衣装替えの時間にお伽噺のプリンセスたちがループする映像が流されていたのだが、どうやらそれの元ネタのようだった。紹介された映像の中で気に入ったcyriakの『Cycles』も合わせて載せておく。

 

www.wat.tv

 

www.youtube.com

 

 

 『SWITHインタビュー』での、104歳日野原重明103歳篠田桃紅の対談は圧巻だった。「もっといいものが描けるはずだと思っている。だからできたものが気に入らない。私には謙虚な気持ちがない」「よくいえば自由、悪くいえば自堕落」という篠田さんの歯に衣着せぬ痛快なお言葉。「その瞬間、瞬間が本当の生き方。瞬間の中に生き方のエッセンスがある」という日野原さんの齢の重みのある晦渋なお言葉。「命とは与えられたもので自分で作ったんじゃない。与えられた命を芸のため、絵のため、人のため、命を出すことが生きていく上で大切なこと」。「生きることを許される限り自分がどう生きがいを持って与えられた命を終えるか」。聖路加の院長として4000人もの患者を看取ってこられた日野原さんのお言葉。篠田桃紅さんのあっけらかんとした立ち居振る舞い、素直なお言葉はとても好きだった。「何にもやりたいことがない」という若者の言葉に対し、篠田さんは「老いたる人のやっていることが若い人には憧れたくない。憧れられない」とし、「老いているものの責任」だと仰られていたが、私は日野原さんと篠田さんの生き方を垣間見て、長生きしたい、100歳まで生きてみたいと思わされた。

 

 

 『スーパープレゼンテーション』も面白かった。MITの准教授ネリ・オックスマンによる合成生物学を伝えるTED。「自然にとっての母」になるという言葉が印象的だった。メディアラボが30年前にできたとき、まだ世の中にコンピュータというものは普及していなくて、創始者のニコラス・ネグロポンテがデジタルという言葉を世に広めたそうだが、その彼が今「Bio is the new degital.」だと言っているそう。これから、ありとあらゆる分野――日常生活においても――バイオは普遍的なものになるらしい。改めて、ビョークの『Biophilia』やアンリアレイジの衣服における先見の明に脱帽。文系なものでどうしても理系の分野は敬遠しがちだが、たとえ理解が追い付かなくても、きちんと最先端の技術に触れておくこと、自分の理解の範疇には置いておくことは大切だなと再認識させられた。何をするにも、どこに進むにも、もうバイオを無視することはできないのだから。

 

 

 『プロフェッショナル』のVERY編集長・今尾朝子さんも良かった。紙面をひとつ作ることの大変さ。普段雑誌を読む上で気にも留めない言葉のひとつ、レイアウトのひとつが、編集者の、ライターの、デザイナーの、何時間にも及ぶ苦悩の末の最善の形であることを、頭の片隅に留めながら、何を読むにも何を聴くにも、丁寧に味わうようにしたい。独りよがりにならずに、常に読者が何を求めているかを追求すること。"答え"を全て自分で出さないこと。仮想で話をしないこと。心に深く刻んでおく。

 

 


 NHKの番組には全幅の信頼を寄せていて、ここのところ8~9割はNHKを観ているため、独り暮らしを始めても喜んで受信料を払わせていただく所存なので、NHKの集金の方はどうぞ素早くおいでなさってください。溜めた録画はあと半分ほど残っているので、明日中には観ておきたい。受験生でもなければ、大学生でもない。"何にでもない"この数か月。できるだけ多くのことに触れ、味わい、吸収し、咀嚼して、できるだけ多く自分のものにしておき、大学生活のありとあらゆるアウトプットの大いなる糧にしていきたい。